「尚美は優しいな…。ま、お前がそこまで言うなら仕方ねーな。許してやるよ、お二人さん。但し雲居さん、氷メガネは二度と言うなよ？ま、もっとも今はメガネかけてねーけどな」

いきなり砕けた物言いになった敏生にそれはそれでビビる眞子と妙子。

あたしは二人に「スミマセン…」と掌を合わせて謝った。

眞子と妙子の様子を後方からずっと見守っていた祐実と奈津子と恭子は、二人の姿に恐れをなし何も聞いてこなかった。
でも多分奈津子には後日相当絞られそうな気がする。

これは当分ビルの喫煙ルームには行かない方がよさそうだわ…。

そうこうしていると、準備が整ったから場所を移動するよう店の従業員に促され、全員控室をあとにしてレストランのホールへ向かった…。

と、まあこんな感じで現在に至ってるんだけど。ここまででも既に疲れちゃったわ…。


いよいよ宴の幕開けだっていうのに疲れたなんて言ってられないわよね。

今日は富美子の晴れ姿をちゃんと拝まないと！
それであたしも参考にさせてもらおうかな…なんて。
改まった式とか披露宴をするのかは、敏生と話した事がない。
あたしは今更だけど、案外アイツは何か考えてるかもしれない。

そのうちまた聞いてみよう。