コイツは…
県内全ての営業所を管轄するM支社で事務部門のナンバーツーである内務次長、通称「氷メガネ」の伊藤敏生。
そしてあたしの天敵でもある…。
「あれ…?誰かと思ったら…飯田さんじゃないですか。そうだ、面接ですもんね。どうぞ、こちらへ」
氷メガネはそう言って会議室へ向かった。
コイツまだ異動になってなかったんだ…。
ちょっと長くない?
通常三年くらいで別の支社に異動になるじゃん。
ヤバい…
絶対落ちるわ、あたし。
コイツ、ハローワークから書類が回って来た時あたしって気づいてたんだよね。
内務次長なんだから絶対そうに決まってるよね?
なんかヤだな…。
まさか…面接官もコイツ?
そう思いながら氷メガネについていくと突き当り近くの部屋の前で立ち止まった。
「こちらです。どうぞ」
「…はい…ありがとうございます…」
ほんとはお礼なんか言いたくないけど面接だから仕方ない。
あたしはドアをノックして声がするのを待つ。
「どうぞお入りください」
中から落ち着いた男性の声がしてあたしは「失礼します」と言って中へ入った。
だだっ広い部屋に長い机がひとつ。
ちょうどその机の真ん中にいかにもダンディな感じの男性が座っていた。
県内全ての営業所を管轄するM支社で事務部門のナンバーツーである内務次長、通称「氷メガネ」の伊藤敏生。
そしてあたしの天敵でもある…。
「あれ…?誰かと思ったら…飯田さんじゃないですか。そうだ、面接ですもんね。どうぞ、こちらへ」
氷メガネはそう言って会議室へ向かった。
コイツまだ異動になってなかったんだ…。
ちょっと長くない?
通常三年くらいで別の支社に異動になるじゃん。
ヤバい…
絶対落ちるわ、あたし。
コイツ、ハローワークから書類が回って来た時あたしって気づいてたんだよね。
内務次長なんだから絶対そうに決まってるよね?
なんかヤだな…。
まさか…面接官もコイツ?
そう思いながら氷メガネについていくと突き当り近くの部屋の前で立ち止まった。
「こちらです。どうぞ」
「…はい…ありがとうございます…」
ほんとはお礼なんか言いたくないけど面接だから仕方ない。
あたしはドアをノックして声がするのを待つ。
「どうぞお入りください」
中から落ち着いた男性の声がしてあたしは「失礼します」と言って中へ入った。
だだっ広い部屋に長い机がひとつ。
ちょうどその机の真ん中にいかにもダンディな感じの男性が座っていた。