「不都合も不都合でしょーが!あたし達の事バレちゃったらマズイじゃない!」

『なんで?いーだろ、そろそろバラしても』

ったく…
どーして簡単にそーいう事言うかね、コイツは…。

『こないだ…受けてくれたじゃねーか…。その…二回目の…』

強気発言連続の敏生が少し声のトーンを落とすからあたしは急にさっきまでの勢いが萎えてしまう。

最近…
あの二回目のプロポーズ以来、敏生は少し変わった。

俺様かと思いきや突如今みたいにシュンとしたりする。
俺様なのもM気質のあたしには萌えるポイントなんだけど…。

こういう捨てられた子犬みたいな所も母性本能をくすぐられてある意味、萌えポイントなのよね。

「あ…うん…。それは、そうよ、ね…」

こうやっていとも簡単に敏生の言い分に負かされちゃう。
だから最近はいつものバトルも心なしか減った気もするし。

『じゃ、決まりな。あ、それとお前あんまり派手な服着んなよ』

「なんで?そりゃ富美子より派手にしたらダメだろうけど、普通にオシャレはするわよ?」

「うちに挨拶しに来た時の。あれにしろ」

なんだってアンタに着ていく服の指図されなきゃいけないわけ!?

あーーー!
前言撤回!