二度目の、氷メガネからのプロポーズだった…。

あたしは恥ずかしくて顔を上げられないまま、氷メガネの胸に顔をうずめたまま言った。

「一回、言ったじゃない…。なんで…また言うのよ…」

「それは…。いったん…延期って…言ったじゃねーかよ…」

そう…
確かにそう、言った。

でもあれは…
まだたくさん解決しなければいけない問題が残ってたから。

「あの時は…、いろんな事、やり残した事が…いっぱいあったじゃない…」

「そうだよ…。でもさ…もう、それも…解決したろ?」

今はもう…
いろんな問題が解決して…
あたし達を阻むものは…
なくなった。

氷メガネはあたしの体をそっと離し、視線をあたしと同じ高さにして顔をのぞきこむ。

そして分厚いレンズのメガネを外した。

「どーしたの…?メガネ…とっちゃって…?」

氷メガネはコホンと咳払いをした後、大きく深呼吸する。

「お前の顔…見ながらだと…照れくせーから…。この方が…いい」

どーいう意味?
一体なんなの?

あたしは氷メガネが何を言おうとしているのか全くわからないまま、ただじっとメガネのないその端正な顔を見つめていた。

「ほんとは…いつ言おうかって…ずっと、考えてた…。一度言ってるし…こんなに時間があいちゃったからな…。タイミング逃して…言うチャンスがなかったんだよ…」