あーなんかもう、頭ん中がぐちゃぐちゃ…。
何も考えたくない…。

あたしはどうしたいんだろう?
高級なホテルでお泊まりして、ブランドの指輪をプレゼントされる…。
多分数多くの女性はそれだけで胸がトキメくのかもしれない。
不満を感じるなんてバカげているのかもしれない。

だけどあたしは…
なんだか寂しいんだ。

氷メガネが一人でどんどん進めていく事が。
あたしの気持ちを全然聞いてくれない事が。

なんだか…
あたし一人置き去りにされたような…
そんな気持ちになって…
寂しかった…。

怒りと悲しみにまかせて歩き続けたあたしは、気づいたら全く右も左もわからない状況に陥っていた。

周りの景色を見てもここがどこかなんてわかるわけもない。
道行く人々はみんな自分達以外には興味がなさそうに、あたしの横を通り過ぎて行く。

だからって今ここで泣き言を言ってどうなるのか…。

あたしはとにかくタクシーを拾って、どこかのビジネスホテルにでも泊まろうと決めた。