「ううん…。正直言って自信はないよ…。でもね、お姉ちゃんと約束したの。頑張って百点取るって。九十五点以上が会社の求める点数だけど、どうせなら百点取ろうと思ってね。毎日お姉ちゃんが問題を出してくれて答える事やってるの」

お姉ちゃんというのは、富美子の娘の(まい)の事だ。

すごくしっかり者だといつも富美子は言っていたが、彼女が全面的に協力してくれているなら心強いはず。

「へえ…。そうなんだ…。模試は?いつも九十五点以上取れてたの?」

「うん…。一応…」

すごい…。
全くのド素人で、難しい法律とか保険の種類でも難しいのが結構あるのに…。

やっぱり眞子の言った通りなんだ。
でも富美子のすごい所は、そういうできる部分を絶対にひけらかさない所。

あたしは富美子のそんな所も尊敬してしまう。

「頑張ろうね!絶対、百点取ろう!」

あたしはそう言って富美子と握手を交わした。

富美子は、「うん!絶対頑張る!」と満面の笑顔で言った。