「ま、いーじゃねーか。その方が俺たちにとってもいーわけだし?」

まあ、そうかも…ね。

「あ、けど、兄貴夫婦とは会う約束したぜ。
義姉さんがお前に会いたいって言ってるらしいから」

「ほんと?あたしも会いたいんだ!いつ行くの?」

「うん、一応、二日って約束した。兄貴さ、三日から仕事なんだと」

そーなんだ…。
お正月もケーキ屋さんは忙しいのか…。

「お正月も忙しいなんて、美緒さん、大丈夫なのかな?」

「そーだよな。クリスマスからずっと忙しいみたいだったからな。あ、でもクリスマスのあたりは毎日おふくろが通ってたから。大丈夫だったみたいだぜ」

そっか。
貴和子さんが行ってくれてるなら安心だね。


それにしても…
なんか場違いなくらい豪華なホテルなんですけど…。

チェックインしてエレベーターで宿泊する部屋まで上がってる。
なんかエラく上の方まで行くし…。
途中でこのエレベーター止まったりしないの?
あたしは少し不安になってしまう。

「どしたんだよ?」

「え?うん…。なんかすごいトコだな…って」

「別にいーだろ。正月なんだし」

まあ…
そうかもしれない、けど。

部屋に入ったあたしはさらに驚く。
まず部屋がいくつかに分かれてる。
リビングみたいなトコと、ベッドのある部屋は別。
しかもシャワーと浴室も別。

これって…
ここって俗にいう、スィートルーム?