詳細はまだ二人で思案中らしいけど、お店はあの、鈴木シェフのフレンチレストラン。
富美子としてはビュッフェ形式がいいらしい。
もちろん、大好きなスィーツも大量に用意して。

あたしも当然呼ばれてるんだけど、氷メガネはね…。

あたしとアイツが付き合ってる事はまだみんな知らない。
知っているのは富美子と麻美と、矢部所長だけだ。

同期だって知らない。
それなのにいきなり氷メガネがあたしと一緒にいたら…

サプライズまちがいなし、だ。

『それもいいんじゃない?』

富美子は他人事だと思って呑気な事を言ってたけど…。
やっぱりそれはヤバいでしょ。


今月はあたしが東京へ行く番。
年末年始を東京で過ごす予定だ。

去年の二の舞にならないように、氷メガネが早々にチケットを確保してくれた。
考えてみれば、あたし以外みんなあっちにいるんだもんね。
もちろんあたしも一人寂しいお正月…なんてのはイヤだし。
みんなでワイワイと楽しいお正月がいいに決まってる。

なんか楽しそう。

久しぶりに晴彦や貴和子さん、悠生さんに美緒さんにも会えるんだ。

そう思ったらスパートかけて仕事しなくちゃね!

あたしは文字通り馬車馬のように働いた。
年末に慌ただしくギリギリの契約や保険金の支払いなんかもなく、もちろん、あたしが事故る事もなく…。

そして無事仕事納めをしてあたしは氷メガネの待つ東京へ旅立った。