「塚本さん、笑うならまだいいよ。コイツなんか、完全無視だから。俺はいっつも甘いもの食べてる時は放置されてる。コイツの方がよっぽどヒドイと思うぜ」

「そーなんですか!ちょっと、尚美ちゃん、それはダメだよ!」

なんだ、なんだ、コイツらは…。

あたしは反論するのもバカらしくて、黙ったまま水を飲み続けた。

それから料理が次々と運ばれてきて、富美子と氷メガネはその料理にいちいち講釈をたれはじめ…。

でも水谷さんはすごい。
呆れかえって無視してるあたしとは違って、語りまくっている富美子をほんとに愛おしそうに見つめてる…。

水谷さんを見てるあたしの方が恥ずかしくなるくらいなんですけど。
富美子、ほんとにアンタ、めちゃくちゃ愛されてるよ。

全部食べられないと言っていたはずの富美子は、キレイに全ての料理を平らげてしまった。
しかもパンも結構おかわりして…。
一体どんな胃してんのよ?

あたしなんて途中から苦しくて、氷メガネにちょっと手伝ってもらったくらい。

そして氷メガネと富美子が待ちに待った、デザートのワゴンを店員さんが押してやってきた。

あ…!
今日は店員さんじゃなくて…

篠宮さんじゃん!
氷メガネも篠宮さんに気づき、立ち上がった。