「グッ、グループ長！お久しぶりですっ！そっ、その節は、大変、しっつれい致しましたっ！」

しっつれい…て
アンタ、どもりまくりだし…。
あたしは面白すぎる富美子の姿につい笑ってしまった。
するとつられて氷メガネも笑いながら富美子に言う。

「そんなに緊張しないでよ。あの時はね、俺もかなり参ってたんだよ、コイツのせいで。塚本さんの事はコイツから色々聞いてるし、大丈夫だから」

「そ、そーなんですかっ！」

なかなか緊張がとれない様子の富美子の隣で、水谷さんが愛しそうに彼女を見ている。

そしてそのままあたし達に挨拶した。

「初めまして、水谷です。いつも富美子がお世話になってます…」

相変わらずの爽やかイケメンぶりは健在ね…。
でもやっぱりあたしの事は覚えてなさそうだわ。

水谷さんと名刺交換をした氷メガネは、「注文されましたか？」と水谷さんに尋ねる。

水谷さんがまだだと言うと氷メガネはスマートに店員さんを呼び、メニューを開く。

水谷さんと氷メガネとあたしはアッという間に注文するものを決めたが、富美子がなかなか決まらない。
メニューとにらめっこしながら、ああでもない、こうでもないとブツブツ独り言を言い始める。

いよいよしびれを切らした水谷さんが、「同じものでいいよな？」と半ば強引に決めてしまった。