富美子は水谷さんに聞いてみてから返事をすると返してきた。

なかなかお互いに都合つけるのも大変よね…。
まあ、あたしと富美子と水谷さんの三人は営業だからなんとでもなるけど。

そして水谷さんも大丈夫と返事をもらったあたしは、そのままあのフレンチレストランへ予約を入れた。

鈴木シェフと、篠宮さんには会った時にお礼を言わなくちゃね…。
きっと氷メガネから、お兄さんと会えた事の報告は受けてるだろうけど。

あたしは初めての四人の対面を心待ちにしていた。
正確に言うと水谷さんとは初対面じゃないけどね。
でも向こうはあたしの事なんか忘れてるだろうな。

金曜日はあたしも調子に乗って休みをもらってしまった。
いつもみたいに始発の飛行機で来る氷メガネを迎えに行きたいし、やっぱり早く会いたいから。

恋する乙女よね…あたしも…。
一人で照れてるのもなんだけど。

そしてこれまたいつも通り、飛行場のゲートから出てくる氷メガネとハグをする。
慣れって怖いけど、今はさほど周りの視線も気にならなくなった。

「何時の予約?」

「えっとね、十三時なの。富美子の訪問先が昼に一件だけあって」

あたしがそう答えると氷メガネがいったんうちに来ると言ったので自宅へ向かった。