にそういうわけじゃないんだよね。
あれ以来貴和子さんも氷メガネも、お父さんの事は言わないし。
貴和子さんは離婚届を家に送ったらしいけど、その後なしのつぶてだって言ってたし。
全然気になってないっていえば…
嘘になるけど…。
「違うの…。お父さんの事は、そこまで気にはしてないの。なんだろう…。ピンと来ないのよ、その…結婚が、じゃなくて、東京に住むって、いうのがね…」
あたしの不安な気持ちを感じ取ったのか、富美子も黙ったまま何かを考えている様子だった。
「でもさ、尚美ちゃん。あたしもね、この土地に来るまではいろんなトコに住んでたの。関西が長かったけど、東京にもいたのよ。
二年くらいだけど」
「え?そうなの?」
あたしは初めて聞く富美子の話に驚いた。
「あ、でもね、もうそれこそ十五年くらい前だよ。ただあたしが言いたいのは…どこへ行っても色んな人いるし、住みやすいとこもあれば住みにくいとこもある。要は尚美ちゃん自身がちゃんと自分を持って生活するって事だと思うんだよね」
あれ以来貴和子さんも氷メガネも、お父さんの事は言わないし。
貴和子さんは離婚届を家に送ったらしいけど、その後なしのつぶてだって言ってたし。
全然気になってないっていえば…
嘘になるけど…。
「違うの…。お父さんの事は、そこまで気にはしてないの。なんだろう…。ピンと来ないのよ、その…結婚が、じゃなくて、東京に住むって、いうのがね…」
あたしの不安な気持ちを感じ取ったのか、富美子も黙ったまま何かを考えている様子だった。
「でもさ、尚美ちゃん。あたしもね、この土地に来るまではいろんなトコに住んでたの。関西が長かったけど、東京にもいたのよ。
二年くらいだけど」
「え?そうなの?」
あたしは初めて聞く富美子の話に驚いた。
「あ、でもね、もうそれこそ十五年くらい前だよ。ただあたしが言いたいのは…どこへ行っても色んな人いるし、住みやすいとこもあれば住みにくいとこもある。要は尚美ちゃん自身がちゃんと自分を持って生活するって事だと思うんだよね」