涙でグチャグチャになった顔で見つめると、氷メガネも愛しそうな瞳であたしを見つめ返してくれる。

なんだか急に恥ずかしくなってあたしはうつむいてしまった。
そして言い訳をして誤魔化そうとした。

「あんまし見ないでよ…。多分パンダ目になってるから、あたし」

うつむいたままそう言ったあたしの顎をクイッと持ち上げ、氷メガネは言った。

「すっげーかわいい。誰にも見せたくねーな、その顔は…」

そしてそっと唇を重ねた。
どんどんと熱を帯びてくるその唇にあたしはすぐに溺れてしまう。

そして息をするのも惜しむように何度も何度も繰り返し合わせる唇に、もう体まで震えてきて。
すると氷メガネはいつものドヤ顔で言った。

「今夜も寝かせねーから」

「は?アンタね、どんだけスキモノなのよ?」

「ヤなのか?」

コイツはほんとにドSの塊…。
でもあたしもそんなコイツがどうしようもなく好きなわけで。

「ヤなわけないでしょ」

そしてあたし達は再び唇を重ね、そのまま滞在するホテルへ戻った。

その後の長い夜は…
いつも通り…
いや、いつも以上に燃え上がった事は言うまでもない。