お兄さんとの約束であたしは再び東京にやってきた。
前回帰る時に今回のホテルを予約し、飛行機の予約もしたから結構スムーズだった。

それよりも美緒さんに会える事が楽しみで仕方なかった。
あたしは迎えに来てくれた氷メガネの顔を見るなり言った。

「ねえ、手土産どーしたらいいと思う?美緒さんってさ、何が好きなんだろ?」

「知るかよ、そんな事」

相変わらずご機嫌ナナメなんだから…。
コイツはいつまで拗ねてんだかねー。

「なんで?ちょっと意識しすぎじゃない?かえってあやしーんですけど」

「はっ!?バカか?お前は!何訳わかんねー事言ってんだよっ!」

ほらほら、そうやって慌てるトコなんか怪しすぎなんだけど。

「甘いモンってわけにいかないわよね?
だって、悠生さんが作るモンが一番だろうし、ね?」

氷メガネがあたしをギロリと睨んで言った。

「お前…兄貴の事、何名前で呼んでんだよ…」