仕方なくあたしは携帯を取り出し電話をかける。

「もしもし…。尚美です。はい、実は今、東京に来てまして。はい、一緒に…います…。でもお話できそうにないんですよ…。あ、わかりました。今から向かいますね」

あたしはそう言って電話を切った。
そして車を降りて、一人で携帯を確認しながら最寄りの駅へ向かった。

今度は追いかけてこないのね…。
あたしは少しだけ寂しく思ったが、今は一人にしていた方がいいのかもと思い直す。

そして電話の相手、貴和子さんに指定された有名ホテルのロビー喫茶に到着した。

「尚美ちゃーん！こっち、こっち！」

相変わらずおキレイだわ…。
下手するとあたしの姉といっても通りそうだわね…。

「すみません…お待たせして…」

謝りながらフカフカのソファに座る。

「いーのよ、そんなに待ってないわ。でも、どうしたの、尚美ちゃん？今週は元々来る日じゃなかったんじゃないの？」

その通り。
なんでわかったの？