氷メガネは相当後悔しているのか両手で頭を抱えた。

「どっちにしても…今さら言っても仕方ないわ。ただ、誠心誠意謝るしかないわよ…」

「許さないって、言ってたじゃねーか。多分会ってもくれねーよ」

アンタ…
やっぱり立ち聞きしてたのね…
そりゃ相当ショックだわね…。

「でもだからってアンタはそれでいいわけ?
二度と会えなくなっても?」

「向こうが俺に会いたくない以上、仕方ねーだろ」

あたしはお腹の底から怒りが湧きあがり、氷メガネに向かって怒鳴った。

「アンタね!そう言って、お兄さんのせいにしてるけど、結局は自分がお兄さんに会うのが怖いんでしょーが!お兄さんに会って、はっきりと拒絶の言葉を聞くのが、怖いから会いたくないんでしょ!?そんなのはね、ただ逃げてるだけなのよ!アンタはそのままじゃ、これからだって全部めんどくさい事から逃げるだけの男になっちゃうわよ!」

氷メガネは黙りこんだまま時間だけが過ぎて行った。

あたしは根気強く待ったが氷メガネはそれ以上、何も言わなかった。