「俺をここまでキンチョーさせたりドキドキさせたりできるのは…尚美、お前だけだ…。
どんだけ美人でスタイルがいい女がいたとしても…そんなのは全くカンケーねーんだよ…」

そのまま優しく唇があたしの唇の上に落ちてくる…。
少し触れただけですぐに離した氷メガネは、相変わらず優しい目であたしを見つめる。

「お前が心配で心配で、どーしよーもねぇって言うなら…。俺、デブろっか?んで、坊主刈りにしてもいーぜ?」

デブで…
坊主刈りの…
氷メガネ…。

「プッ!」

あたしは想像して思わず吹き出した。

「なんだよ…笑うなって…。俺、マジで言ってんだからよ…」

あたしは氷メガネの優しさがジンと胸に沁みて、その広い背中に両腕をまわす。
逞しい胸に自分の顔をうずめながら言った。

「いい、今のままで…。ごめんね、変なヤキモチ妬いて…」

「尚美…。不謹慎だけどさ…俺、なんだか嬉しいわ…」

「えっ!なんで?」

「だってさ…。ヤキモチ妬いてんのはいっつも俺ばっかで…。お前はいっつも平気そうだって…思ってたから…」

「そうなの?…だって…あたしのまわりは女ばっかだし…。ヤキモチ妬くような相手、いないじゃないの…」

氷メガネは髪をクシャッと掻いた。