「…………」「…………」

しばし無言で見つめ合う。

見つめ合うって言ってもときめくようなシチュエーションではない。
どっちかというとヘビとカエルの睨み合い…に近いような…

あ…
思い出した…。

思い出して嬉しい相手とそうでない相手がいるけど。
この相手は間違いなく後者に属する。

あーそれにしたって。
…よりにもよってこんな日に。
今から面接を受けようかという、大事な時に。
しかもこの面接は今の仕事よりも待遇がいいから結構気合い入れて準備してきた。
そういう人生の岐路みたいな時に限って。

美晴といいコイツといい…
どうしてあたしは会いたくない人間にばかり出会ってしまうのか…。

コイツは…
あたしの大、大、大嫌いな…

氷メガネだった。