そしてパティシエは別にいると聞いた氷メガネは、是非お話がしたいとシェフにお願いしている。
その願いを聞いたシェフは、ちょっと困惑の表情を見せた。

というのも…
そのパティシエは人見知りで、あまりうまく話せない人らしい。
シェフも申し訳なさそうにしている。
しかし、元来しつこい性格の氷メガネがこの程度であきらめるはずがなかった。
根負けしたシェフが呼んできたパティシエは、これまた若くてイケメンで。

なんだ!この店は!
と叫びたくなるほど、イケメン軍団のお店だと思った。

でもシェフと比べるとなんだかオドオドした様子。

もしかして、氷メガネが怖いのかしら!?
今日は顔がとろけてるから、そんなに怖くないはずだけど?

シェフが隣にいるパティシエを紹介する。

「当店のパティシエを務めております、篠宮(しのみや)です」

少しうつむいたままで顔も上げず会釈だけしたパティシエは、恥ずかしそうに、

「どうも…」

と言っただけだった。

氷メガネはそんな彼を気に留める様子もなくデザートを大絶賛し、中でもクレープシュゼットは絶品だったと語りまくった。

なんか軽くパティシエさんが引いてる気がするのは…

あたしだけ?