そして優雅なしぐさでおもむろに口に運ぶと、すぐにその顔が緩んだ。

店員があたし達の横でクレープなんとかを作ってくれている。
ボッと炎が上がった時は驚きすぎて声をあげてしまった。

店員が出来上がったクレープなんとかを氷メガネの前に静かに置く。
最初のデザートは既に完食している。
目の前に置かれた皿から立ち上る芳醇な香りに、氷メガネは酔いしれているように見えた。

そして優雅にナイフとフォークを動かし一口大になったクレープなんとかを食すと、早くも恍惚の表情になった。

ほんっと、甘いモン食べさせたら天下一品…。
その顔は部下には絶対、見せられないわね。

そして今、すごく話しかけにくい状況になっている。
自分の世界に入りまくっている氷メガネに話しかけるのは相当な勇気を必要とする。
でものそんなに旨いのか?と聞いてみたい衝動を抑えられそうもない。