こんなあたしだけど、アンタのピンチには颯爽と登場して悪いヤツを退治してやるから!

あたしは心の中で一人意気込んでいた。



到着したレストランは小さいけどオシャレな建物で。
中に入るとインテリアもフランスっぽくて素敵だった。

フランスっぽいってあたし、フランスはおろか海外なんて行った事ないんだけどさ。

「予約した飯田ですが…」

お店に入るとなかなかのイケメン店員が出迎えてくれる。

「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

案内された席は窓側の少しまわりとは離れた席だった。
メニューを置いて店員は去って行った。

「感じのいい店だな…」

氷メガネはまんざらでもなさそうな表情で言った。
さらにメニューを眺めると氷メガネは満面の笑顔になった。
コイツがこういう顔をする時は手応えを感じている時だ。

いいお店の条件とは、もちろん味と盛り付けのセンスと…
なんだっけ?
あたしはいつもいいレストランについて薀蓄を垂れるコイツの話を思い出そうとしたが、結局思い出せずにいた。