照れくさくなったあたしは、ちょっとおどけたように言ってみた。

「もぅー、何よー！そんなに見つめないでってば！」

「…いや…。よかったな…。尚美の友達はいい人ばっかりだな…」

ちょっと急にどうしちゃったのよ！
何をそんなしみじみになってるわけ？

「塚本さんといい、時田マネージャーといい、お前のまわりにいる人間は善人ばっかだな」

もしかしてコイツ…
自分があんまりダチがいないから寂しくなっちゃったとか…。

ううん、きっとそうだ。
今までのコイツの不器用さを思えばダチなんてできるわけないもん。
だからあたしは言ってあげる事にした。

「類は友を呼ぶってね。あ、でも、だったらアンタも善人になるわね。きっとこれからはアンタのまわりもいい人であふれてくるわよ」

あたしが笑いながら言うと、氷メガネも「そうだな」と言って笑った。

大丈夫…
絶対これからは…
そうなるから…。
アンタが少しずつでも心を開けるような相手が…
絶対見つかるから…。

あたしがずっと傍にいてアンタを見守っててあげる。
だからアンタも安心して…
今までみたいに警戒心を剥き出しで生きなくてもいいんだから、ね？