「めちゃくちゃ疲れた!尚美、腰揉んで!」

やれやれ…。
あたしも疲れてるけど…気分がいいだけに、断れないね。

あたしはすぐに氷メガネの腰を揉み始める。

「あー…気持ちいー…。そこそこ!あー極楽極楽」

あたしはそのまま話を始める。

「でも…お父さんは大丈夫かな?一人ぼっちになってしまうんじゃ…」

「いーよ。今まで散々おふくろを一人にしてたんだから。今度は自分が一人になれってんだよ」

ま、そうだよね。

自分が人に対してやった事は、いい事も悪い事も、まわりまわっていつか自分に返ってくる。
これは世の道理だもんね。

あたしは何事もなるようにしかならないと、思い直す。

そしていつの間にか眠ってしまった様子の氷メガネに、そっと毛布をかけた。
その無防備な寝顔は普段の俺様とはかけ離れたまるで子供みたいにかわいくて。
あたしは思わず頬にキスをしてしまった。

すると寝ていると思っていた氷メガネが、いきなりクスクスと笑い出した。

「なっ!何よっ!狸寝入り!?」

氷メガネはなおも笑いながら言った。

「すっげー気持ち良かった!もっかいして!」

そう言いながらほっぺたをあたしに向けてくる。

「ヤダ!絶対しない!二度としない!」

頬を膨らませてそっぽを向くと、氷メガネが負けずに言い返す。

「じゃあ、俺も二度と尚美とエッチしない」