「アイツの親が、あたしとの事反対してるって。まあ、普通の親なら当たり前よね。バツイチ子持ちでしかも五つも年上の女なんだから。でもね、あたしはそれを恥じるつもりはないの。それがあたしだし、それを否定したら自分の人生を否定する事になるでしょ？
だから、親にきちんと話しろって…言ったの」

「そう…だったんだ…」

何？
なんでアンタがそんなに落ち込んでんのよ？
アンタがそこまで気にする事はないんだってば。

「なんか俺…責任感じるわ…」

「なんで？なんで晴彦が責任感じるの？」

「だってさ…。少なからず俺も関係してんだろ？その反対の理由ってのに」

それが…
晴彦の事が反対の理由なんだったら…
あたしは絶対に引き下がるわけにはいかない。
いや…どんな理由だろうと、あたしはアイツをあきらめるつもりなんてないから。

でも逃げたりズルい事は絶対にしたくない。
香菜さんの言ったようにあたしも正々堂々と真正面から勝負したいの。

それでどんなに嫌われても…仕方ない。
精一杯やった結果がうまく行かなくても、それを今後の糧にすればいいだけ。

仕事でも言われている事を当てはめるのは変かもしれないけど。
この仕事をしてきて唯一言える事。

打たれ強くなった。
ひるまなくなった。

悪く言えば…ふてぶてしいのかな？