『母さん！大丈夫なのかよ！？』

晴彦はすぐに出てくれた。

「うん…ちょっとドジっちゃって…。でもケガも何もないから。検査の結果何もなかったら、明日退院するね」

晴彦は福富トレーナーの家で泊まらせてもらう事になり、安心してベッドに戻る。

戻ってきた所長にお礼を言って、うまく行けば明日退院できることを伝える。
退院しても年内は仕事に出なくてもいいからと所長に言われ、あたしも渋々承諾した。
これ以上所長や麻美たちに迷惑をかけるわけにはいかない。
ここは少し大人しくしていた方がいいのかもしれないと思った。

翌日の朝の検温の後先生が病室にやってきて、検査の結果異常はなく退院の許可をくれた。
手続き等色々あるにはあるが、なんとか一人でできると言うあたしに

「家族が無理なら職場の人に頼んでみては？」

と病院側から言われた。

麻美も年末で忙しいのに…
かといって、他に頼める人もいない。
あたしは仕方なく麻美に頼む事にし電話を入れる。

「あ、麻美？朝早くにごめん」

『ん、いいよ、どした？』

「退院の許可出て。でね、手続きとか色々あって…忙しいのはわかってるんだけど、できれば来てもらえないかな…？」

あたしが弱々しくお願いすると麻美は快く引き受けてくれた。
昼ごろになると言われたがそれくらいならまだ病院にいさせてもらえるだろう。