「もしかして…アンタ、今日来てくれたのって…」

あたしが言いかけると遮るように晴彦が言った。

「…別に…深い意味ねーよ…。ここんとこ、まともにメシ食ってなかったから…」

「あ…ごめん…。それはあたしの責任…」

謝るあたしに晴彦が再びキレ気味になる。

「いや、そういう事言いたいんじゃねーし!責めてるわけじゃねーから!とにかく!俺もキョーミあんの、あのメガネのオッサンに!」

興味って…
確かに興味深いよね、ああいう人って。
今まで身近にいなかったタイプなのは間違いないだろうし。

その後はずっと沈黙が続き…
今に至っている…。

あたしが新たなタバコに火をつけようと取り出した所で、運転席の窓を軽くノックされた。

慌てて見ると、あたしの大好きな氷メガネが満面の笑みを湛えて立っていた。
あたしは慌ててタバコをしまい、晴彦に声を掛ける。

「晴彦!来た!」

「ん?ああ…」

二人で氷メガネの車に乗せてもらう。
あたしが晴彦と二人で後部座席に乗ろうとドアに手をかける。

と同時に氷メガネがあたしの反対側の手を掴んで言った。

「お前はこっちだろ」

助手席に乗せられたあたしは晴彦がどう思ったのかを考えて恥ずかしくなった。

あたしは赤くなっているだろう自分の顔を晴彦に見られたくなくて思わずうつむいた。