『どうした?もう寂しくなったのか?』

いきなり何?
その発言は…?
麻美の言う通りコイツの方が公私混同しまくりだわ。

「もぅ…ふざけてる場合じゃないの…。
謝らなきゃならない事があって…」

『…何?謝らなきゃならない事って?』

声色が変わった…。

「実は…あたし、異動の話をうっかり麻美にしゃべってしまったの…。そしたら、あの…」

あたしがそこまで言いかけた所で氷メガネに遮られる。

『皆に知れ渡った?』

え?
なんで…わかったの…?

「うん…ごめん、なさい…。軽はずみに、こんな大事な話を…」

『許せないな…』

「え…やっぱり…怒ってる…よね?今更言ってしまった事撤回できないし…。ほんとに、ごめんなさい…」

あたしは誠心誠意謝った。

『ダメだ。許さない。償ってもらう』

は?償って…って?
そこまでの事しちゃった?

あたしが頭を悩ませていると、氷メガネはまったく関係のないセリフを吐いた。

『今日仕事何時まで?』

「え?…あの…多分六時には終わると思うけど…?」

『じゃあ、今日は俺がそっちに行くわ』