「麻美!ポロッて喋ったあたしが悪いけど…。まだ内示だけだと思うから、絶対言わないで黙っててよ!」

「わかってる、わかってる」

すんごい笑顔…。
こりゃ、明日にはみんなにバレるな…。

いや下手すりゃ今日中には知れ渡ってるかも…。

ごめんなさい…。
あたしが軽率だった。

あたしはそばにいないはずの氷メガネに向かって謝った。

そうだ、富美子に言わなきゃ…。
あたしは心配をかけた同期の富美子に連絡をした。

昼からはアポが一件もないという彼女に合わせ、また同じカフェで待ち合わせた。

「尚美ちゃん!」

「富美子、久しぶり!」

あれ?
ちょっと痩せた?
こないだ会った時よりか少し痩せたような気がする…。

「あたしコーヒー頼んだから。富美子は?何にする?」

「あ…あたし、ミルクティーにしよっかな」

「ミルクティーだけ?甘いものは?」

いつも必ず甘い物を食べるのに、今日は飲み物だけしか注文しない彼女を訝しんで尋ねた。

「うん…。ちょっとお腹の調子がよくないんだ…。今日は飲み物だけにしとく」

「ねぇ、富美子。なんかあったの?ちょっと痩せたみたいだけど」