翌日出社したあたしは、案の定麻美にこってりと絞られた。

「ほんとにもう…ビックリするじゃない!
で、どういう事なの?いつの間にそういう事になってたわけ?」

あたしは麻美にかいつまんで説明した。

怒るだろうと構えていたが、麻美はあたしの思いに反した事を言った。

「だけど…良かった…。尚美がまたきちんと恋ができてさ。相手が氷メガネってのは、ちょっと驚きだけど…。アンタの話聞いてると、そんなに悪いヤツでもなさそうだし」

うん…。
全然悪い人じゃなかったよ…。
ちょっと俺様でドSだけど…。

「だけど、仕事は仕事だからね。公私混同だけは、しないでよ!」

「うん…わかってる…」

「まあ、公私混同してるのは、尚美よりもむしろアイツの方だけどね!あっ…ごめん!つい今までのノリで、アイツとか言っちゃって…」

麻美はバツが悪そうに謝ってきた。

「いいよ、だって今までが今までだからさ」

あたしは微笑みながらそう言った。

「だけど…ごめんね、なんか出鼻をくじくようで悪いけど…。氷メガネってさ、いいとこのお坊ちゃんだって、聞いた事あるんだよね…。その辺は、大丈夫なの?あ、いや、結婚までまだ考えてないなら、別にいいんだけど、さ…」