やっぱり…

思った通り、麻美から十件近く着信がある。
しかもメールが…怖ぇぇ…。

『尚美、ちゃんと説明して。何時になってもいいから』

たった一言が、すごい迫力なんですけど…。

「どうした?」

氷メガネが固まるあたしの隣に座って聞いてきた。

「やっぱり、麻美、疑ってるみたい…。すんごい怖いメールが…。説明してくれって、メールが来てる…」

怯えながらそう言ったあたしに、氷メガネは涼しい顔で言い放った。

「説明すれば?ほんとの事」

って、マジです、か…?

「あの…ほんとの…事、って…?」

あたしが尋ねると笑いながら氷メガネは言った。

「だから、俺と一緒にいたって。付き合ってるって言えばいいでしょ。で、取り込み中で連絡できませんでしたって」

な、なんだって…!
んな事、言えるわけないでしょーが!

「そんな、そんな事言えないってば…。しかも、それって仕事途中で投げ出していいって理由には、ならないし…」

「うん。確かにそうだ…。尚美の言う通りかもな」

素直ね、珍しく…

…え?
今、尚美って呼び捨てに、した?

別に、いいんだけど…
いや、むしろ嬉しいんだけど…

一人で照れていると、氷メガネがサラッと言った。