「あのっ!あたしまだ、仕事中で、それでっ!一度も連絡入れずにここにいるって事は、それは…」

必死に説明するあたしに、氷メガネはシレッとした顔で言った。

「連絡しといた」

「はぃっ??」

「その…連絡しといた…。時田さん…に…」

麻美に…?
連絡…した…?

どうやって、連絡先わかったの…?
なんて、説明、したの…?

「え…っと、麻美の…連絡先って知らない、でしょ?」

「もちろん。営業所に直接電話した。
矢部所長から伝えてもらったから、大丈夫」

ちょっと待って…!
所長に言ったって…?

「え…所長に、…なんて言ったの…?」

「…ん…。たまたまこっちで君にバッタリ会って、そのまま直帰させるから時田マネージャーにそう言ってくれって、言ったけど?」

ど、ど、どうすんのさ、そんな事言っちゃって…。

「さすがに、その理由じゃ、まずくない?」

「そう?矢部くん、全然疑ってなかったけど?」

確かにうちの所長は、コイツに負けず劣らずKYなトコあるから…

でも、所長はよくても麻美は…
絶対におかしいと思ってる。

あたしはハッとなり、携帯を取り出した。