一度流れ出した涙は止めようと思えば思うほど次から次とあふれてしまう。

絶対また怒られる、あたしはそう思ってしゃくり上げながらもなんとか言葉を発しようと顔を上げた。

するとそこには怒るどころか、さっきと同じように優しい目をした氷メガネがいた。

「もう…いいですよ」

「え?」

あたしは訳がわからなくなった。

いいって何が?
何がもういいの?

「ごめん…。ちょっと意地悪しすぎたな…」

え?え?
何が一体どうなっちゃってるの?
あたしはパニック寸前だった。

「やっぱり、男が言うべきだよな。君の口から直接聞きたかったから、つい意地悪しちゃったよ…」

あの…?

今目の前で起こっている事が、全くわかってない人間がいるんですが…?

「飯田さん…。俺も…好きだよ、君の事が」

え…っと、それは、そうなんだけど…
あたしも好きなんだけど…
いきなり「俺も」って?

あたしまだ何も言ってませんけど?

「ったく…。じらしやがって。俺がどんな思いでいたか…。全然わかってないんだな…」

っていうか、いつの間にかまたあなたのキャラが崩壊してますよ…?