あたしはいったんそこで話すのをやめ、ココアを一口すする。

あ…なんかホッとするわ。

よし!
もう一度最初から仕切り直し!

「えっと…ですね。それであの、実はですね…」

今度はうまく言えるような気がしたけど、やっぱり無理…。
好きだって言うだけなのに、なんでこんなに難しいんだろ…。

またもや沈黙になってしまい、あたしは再びココアのカップに手をのばす。
すると氷メガネがカップを先に取り上げた。

「ちょ、ちょっと!何するんですか!」

思わず叫んだ。

「いつまで待たせるんですか?これは言えるまでおあずけです」

おあずけって、犬じゃないんだから…。
でもまあ怒られても仕方ない、よね?

「あの…あたし…なんでだかわかんないんですけど…」

氷メガネはカップを持ったまま、あたしをジッと見つめている。
そのメガネの奥の目を見た時、あたしの心臓はヤバいくらいに跳ね上がった。

なんで、そんなに優しい目で見るのよ…。
反則じゃない、その目は…。

あたしは続きを言う前に泣いてしまった。