入口をくぐると若い女のウェイトレスがやってくる。

一人という事と、喫煙できる所でとお願いすると、早速席に案内してくれた。
あたしはコーヒーを頼んですぐにタバコを取り出し一服した。

ほんと、ホッとする…。
依存しちゃいけないけど…
こういう時はタバコに助けられてる事を実感してしまう。

そういえばここって…
試験の時にあたしが駅中のカフェから変更した店じゃん。
忘れてた…。

あの時、確かすっごいデカいパフェ頼んで後悔したんだっけ。
なんだか懐かしいな…。
そんなに前の事じゃないのにすごく昔の事みたいな感じに思える。

そうだ。あの時…
ここに来る前にあの駅のカフェで氷メガネを見つけて。
初めてアイツが甘党だって知ったんだよね。
嬉しそうにパフェを食べる姿が今思い出しても笑えるわ。

思えばあの時からだったよな…。
あたしが氷メガネに抱いてた印象が少しずつ変わったのって。

あたしが思い出にふけっていると、いきなり知らない男性に声をかけられた。

「スミマセン、あの…ここの席って、誰か来られますか…?」

驚いて声がした方を見ると、背がスラッと高いイケメンが立っていた。