富美子には宣言したものの…
どうやって実行していいのか、やっぱりわかんない。

このままズルズルと引き延ばすわけにもいかないし…。
こういう時に偶然会えればいいんだけど、そんなにうまくいくはずがない。

やっぱり、呼び出して話すしかない!
勇気を出すって決めたんだから!

そうだ、あたしのお客さんでM市の小学校の先生、久しぶりに会いに行こう。
それでアイツにも連絡してみる。

あたしは早速実行に移すべく、お客様である小学校の先生に電話してアポを取った。

でも肝心の氷メガネに連絡しようと思うと、指が震えてなかなか番号を表示させられないでいた。

それでも、あたしはなんとか思い切って氷メガネに電話をかけた。
呼び出し音が鳴り響く音がやけに大きく聞こえる…。
このまま出ないでくれと、情けなく思ったりしている自分がいた。

それにしても…なかなか出ないんですけど…。

そう思っていると留守番電話に切り替わってしまった。
もしかしたら、会議中かな…?

あたしはいきなり電話した事を少し後悔し始めていた。

アイツはまがりなりにも内務次長と言う要職についているんだ。
あたし達みたいな、時間が自由になる営業職員じゃないんだから…。
いつでもどこでもすぐに電話に出られるような状況とは限らない。

あぁー…
一大決心したのが早くも萎えそう…。