「会って、気が済むまで話してきなよ」

富美子はあたしに微笑みかけながらそう言った。

「でも…。どう、だったの…？富美子の印象は…？なんていうか…探りは…入れられた？」

「…うん…。あたしの印象ではね…。断るならあたしに直接断ってもいいんじゃないかって…思ったの。だってね、わざわざ本人に会って断る？気まずいでしょ？」

まあ…そりゃそうよ、ね…。
断るのに本人目の前にしてなんて…

ただ…
アイツがあたしに嫌がらせをしようと思ってれば、可能性はゼロじゃないかもしれないけど…

「会って直接ヒドイ事言うつもりかも…よ？」

あたしは言いながら悲しくなってうつむいた。

富美子はそんなあたしの様子を見て、冷静に分析するように言った。

「そんな事はないと思う。だって、尚美ちゃんにあんなに優しくしてくれたのに、それがわざとだったと思うの？尚美ちゃんをその気にさせて、後でこっぴどく振るつもりだったって事？…そこまでするかなぁ…。
さすがの内務次長も、そこまで悪人じゃないと思うけど…」

「今までのあたしとアイツの関係なら…やりかねないんじゃない？」

あたしの言葉に富美子が何かを考えているのか、黙り込む。

「もし…そうだったとしても…無責任なようだけど、それならそれで仕方ないと思う。尚美ちゃんが見る目がなかったって事だよ。キツイ事言って、申し訳ないけど…」

ほんとだわ…。

富美子の発言とは思えないくらい、キッツイわよ…。

でも富美子の言う通りなのは、あたしもわかってる。