「だったらあたしが探り入れてあげようか?それでもし脈がありそうなら直接内務次長に尚美ちゃんが話すってのは、どう?」

富美子が氷メガネに探りを?
いや、無理だよ、アンタには…

あたしとおんなじで隠し事できない性格だし、顔に出るじゃん。

「いや…。アイツは相当なタヌキだよ。とても富美子に探れるような相手じゃないと思うな…。多分、絶対に自分の本性なんて見せないって」

「そうかもしれないけど…。でも!このままじゃ絶対ダメだって!後で悔やんで欲しくないの…。あの時、言っておけばよかったって。そうならないって…言い切れる?」

富美子の言葉には妙な説得力があった。

あたしはそこまで言ってくれる富美子に、一か八か氷メガネの件を任せてみようと気持ちが動いた。

富美子に氷メガネの携帯の番号を教えるのはどうかなと考えて相談すると、富美子は支社に直接電話すると言った。


そして再び富美子から連絡があったのは、二人で会った日の三日後だった。

あたしにとっては長すぎる三日だった…。
何回も富美子に電話して途中経過を教えてもらおうかとも思ったけど、さすがに恥ずかしくて出来なかった。

とにかく氷メガネがなんて言ったのか早く聞きたい気持ちの方が強かった。

すぐにこの前のカフェであたしは富美子と落ち合った。
席に座るや否や話を聞き出そうとするあたしに、富美子が笑いながら言った。