「しているかどうかの判断は、あなたが決める事ではありません。あくまでも調査と、日頃のあなたの勤務態度などを基に関係者で討議してから決める事です」

「…じゃあ、何のために個別に面談するんですか…?本人に事実確認をするためじゃ…ないんですか…?」

「もちろん。公平を期す為に、当事者から事情を聞くのは会社としてやるべき事です。ただ、話を聞いただけでは判断できないと申し上げているのです」

「要は普段の態度なんかが悪い職員は、既にレッテルが貼られているって事なんですね…」

「先ほども申し上げました通り、判断はあくまでも討議の結果によります。
今、この場で、どちらかというお答えはでき兼ねます。それでは、続けます。
まず、転換契約時の保険料の件ですが、あなたは現金を受け取った後、施錠のできないかばんに入れ、さらに勤務時間中であるにも関わらず、エステの施術を受けたという事ですが、これに関してはいかがですか?事実に間違いありませんか?」

「間違い…ありません…」

「施術中に睡眠をとったというのは…?」

そんな事まで…
オーナーはしゃべったんだ…。

やっぱり全部計画的だったとしか思えない。
それを見抜けなかった自分が情けなすぎて泣きたくなったが、事実は認めるしかなかった。

「それも…間違いありません…」