「ギャギャギャ!」
荒々しい鳴き声を発しながら怪鳥が空を舞う。
「みんな、上に敵がいる。気を付けて」
ウォリーは仲間達に警告した。
ここ、『ドメニゴの森』は強力なモンスターが何匹も巣くう高危険度地帯。熟練の冒険者でさえ苦戦を強いられるこの森の中を、今まさにひと組のパーティが進んでいる。
Aランク冒険者パーティ『レビヤタン』。
青年ウォリーはそのメンバーの一人だった。『治癒師』という回復に長けたスキルを持ち、パーティのヒーラーとして活躍している。
彼の他にも、剣の達人であるリーダーのジャックや、凄腕の魔法使いハナ、魔法剣士ミリアなどトップクラスの冒険者達が揃っている。
森の上空を旋回していた怪鳥がレビヤタンに狙いを定め急降下を始めた。
その嘴には鋭利な牙がズラリと並び、両足の先端には鎧さえ引き裂く強度の鉤爪が備わっている。
しかしその爪がパーティメンバーに届くよりも前に、怪鳥は突如出現した落雷に打たれ黒焦げになって墜落した。
魔法使い、ハナの雷魔法だった。
「ハナ! ありがとう! みんな、怪我は無い?」
直後にウォリーが仲間達に声をかけた。
「あんたねぇ、さっきの見てなかったの? あの鳥が接近するよりも前に私が仕留めたじゃない! 誰も怪我なんてしてないわよ!」
ハナは苛ついた様子でウォリーを睨んだ。
「そ、そう? それなら良かった…」
「いちいち余計な心配しないでよ! 回復が必要になったらこっちから言うから、あんたは黙ってついて来てりゃいいの!」
ウォリーは冒険者としての実力が決して低いわけではない。ヒーラーとして回復魔法をはじめとした強力なサポート技を身につけており、『レビヤタン』の他のメンバーと肩を並べるのに申し分ない働きをしていた。
しかし彼の低姿勢で心配性な性格のせいで、自然とパーティ内で弱い立場に立たされてしまっていた。
「まぁ〜まぁ〜まぁ〜。そんな小ちゃい事でかっかしなくてもい〜じゃな〜い。」
赤毛でツインテールの女性、ミリアがそう言いながら2人の間に立つ。彼女は剣技と魔法の両方を使いこなす魔法剣士。ウォリーとは同じ故郷で育った幼馴染で、ユニークスキルと呼ばれる特殊な能力を所持している。
「ふん、まあいいわ。さっさと先に進みましょ!」
ハナは眉間に皺を寄せたまま歩き始めた。
この調子で襲い来るモンスター達を撃退しながら、探索を進める『レビヤタン』。森の深部が近づいて来たあたりで、全身傷だらけの冒険者が彼等の前に姿を現した。
「ハァ……あ……あなた達はAランクパーティの……ハァ……ハァ……レビヤタンでは?」
傷だらけの冒険者は相当体力を消耗しているらしく、息切れしている。
「そうだが、何かあったのか?」
「ハァ……ハァ……我々も……パーティでこの森の探索を行なっていたのですが、強力なモンスターに襲われて他の仲間はやられてしまいました……私は何とか逃げ延びたのですが……回復アイテムも底をつき……満身創痍の状態です……お願いします。ここから脱出する為に体力を回復したいんです……ポーションを恵んで頂けませんか?」
確かにこの冒険者の傷はかなり酷いようだ。こんな状況でこの危険な森から抜け出すのは不可能に近いだろう。
ジャックの足元で地に両手をついて懇願する冒険者だったが、ジャックはポーションを渡そうとはしなかった。
「悪いが俺たちもこの森を攻略中なんでな、ポーションを渡せば逆に俺たちが危険になるかもしれん。渡す訳にはいかないな。」
絶望的は表情になる冒険者。ジャックの言葉は「ここで死ね」と言っているようなものだった。
その時、ウォリーが冒険者の元に駆け寄って肩に手を置いた。
「ウルトラヒール」
ウォリーがそう唱えると冒険者傷がみるみる癒されていった。
「立てますか? 今回復魔法をあなたにかけました。この魔法は傷を癒すと共に、かけてからしばらくの間は自然回復力を強化する効果があります。本当は森の出口まで送ってあげたいですが僕たちも先へ進まなければなりませんので、これで頑張ってください。」
冒険者はウォリーの手を握りしめると涙を流しながら何度も御礼を言った。そして、『レビヤタン』一行に深々と礼をすると、その場を去っていった。
冒険者の背中が見えなくなったところで、突然、ジャックがウォリーを殴りつけた。
「このクソガキが! ポーションは渡さないと言っただろ! 俺の話を聞いてなかったのか!?」
「ご、ごめん……でもポーションは使ってない。回復魔法で……」
ウォリーは痛む頰を抑えながらジャックに謝罪した。
「同じ事だ! 回復魔法だって魔力を消費するだろ! お前の魔力は俺たちパーティの為に使うものだ!どこの誰かもわからん奴の為に魔力を使うんじゃない!」
「でも……あの人、あのままじゃ死んでたよ。見殺しになんて出来ないよ……」
「馬鹿野郎! あいつも冒険者だ。死の危険は覚悟の上でここに来てるんだろうが! あいつがモンスターに負けて死んだところで、それはあいつ自身の責任だ。俺たちには関係無い! もちろん助ける事も間違いじゃねえが、助けない事だって間違いじゃねえ!」
ウォリーは言い返す事が出来なかった。ジャックの言い分にも一理あると思ったからだ。ここは高危険度の森。魔力やアイテムは出来る限り温存して行かなければ、パーティ全員を危険な目にあわせてしまうかもしれない。リーダーのジャックに断りもなく魔力を使ってしまった事を彼は深く反省した。
だがかと言って、彼は冒険者をあのまま見捨てる事も耐え難かった。彼は昔から困っている人に出会うと何かしてあげたいという欲求に駆られてしまう人間だった。
「まままっ! いい〜じゃないのぉ〜回復魔法の1回や2回くらい。」
またもミリアが出て来て揉め事を抑えようとする。
「ウォリー君はじつに、じつぅ〜に優秀な人財よ! 彼の所持してる魔力はそこらの魔法使いを遥かに超える量。私は幼い頃から彼を知ってるけど、昔から魔力の量が桁違いだったのよぉ〜。周囲の大人達からは神童なんて呼ばれて期待されてたのを憶えてるわ。」
ウォリーをべた褒めするミリアを、ハナは不機嫌そうにして睨んでいた。
「まあいい、もう使っちまった魔力にあれこれ言ってもしょうがないからな。だが覚えておけウォリー。お前のその誰にでも手を差し出そうとする性格は冒険者にとっては不要なものだ! そんな甘ちゃんじゃ一生一流の冒険者にはなれねえぞ!」
そう言い放つと、ジャックは再び森の奥へ向けて歩みを進め出した。
森がだんだんと薄暗くなり、今まで以上にあちこちからのモンスターの気配が強くなってくる。パーティはどうやら森の深部まで入ったようだった。モンスターの強さが格段に上がるが、その分貴重なアイテムを入手する事が出来る。
「これ、何だろう。見たことない花〜」
ミリアが青く微かに発光している花を手にしている。
「青龍花だね。かなり珍しい花だよ。他のアイテムと調合すれば効力の高い薬になるけど、扱いの難しい花だからほぼ失敗するだろうね。」
ウォリーが答えるとミリアはヘぇ〜と言いながらハナの衣服のポケットに花をねじ込んだ。
「私いらないからハナちゃんにあげる〜。ハナちゃんだけに花をね〜。はっはっは」
自分で言って自分で笑うミリアだったが、当のハナは冷めた表情していた。
「おたくら……冒険者かの? ちょっと頼みがあるんじゃが……」
突然、1人の老人が姿を現した。こんな所に老人が1人で居る事を奇妙に感じ、パーティ全員は一瞬で警戒態勢に入った。
「こんな場所で何してる。何者だ?」
ジャックがきつい口調で問うが、老人は動じる様子がない。
「そう警戒せんでくれ。食糧が尽きてしまっての〜。なんか恵んでくれんか。もう腹が減って腹が減って…」
「悪いが俺たちは自分の分しか持ってきてないんでな。物乞いをするなら街でやってこい。」
あまり関わらない方がいいと判断したジャック達は早足でその場を去ろうとする。ただ1人、ウォリーはあの老人が気になって仕方なかった。確かに奇妙な老人ではあるが、こんな場所で飢えてると言われると彼の性格上放っておく事が出来なかった。
ただ勝手に助けるとまたジャックに何か言われるかもしれない。ウォリーは自分のパンを他のメンバーにバレないよう後ろ手に持ち、こっそりと老人の方へ投げてからジャック達の後に付いていった。
その後『レビヤタン』一行は特に奇妙なものに遭遇する事なく、大量のレアアイテムを入手して無事に街まで帰還した。
「そろそろ俺たちもSランク昇格に向けて動こうと思うんだが、どうだ?」
冒険者達が頻繁に利用する酒場で、ジャックは酒を片手にそう言った。
「いいね〜。私たちの実力ならもう十分でしょう!」
ミリアは上機嫌でジャックの意見に賛同する。
「昇格する為にはさらに上のレベルのクエストを達成する必要があるのよね。一体どれほどの難易度なのかしら……」
ミリアとは対照的にハナは不安そうな表情をしている。
「ああ、これからさらに気を引き締めていかなければな…それから、ウォリー。お前にひとつ言っておきたい事がある。」
「え……?」
ジャックは酒を一口飲んでから、ウォリーに冷たい視線を向けた。
「お前にはこのパーティを出ていってもらう。」
荒々しい鳴き声を発しながら怪鳥が空を舞う。
「みんな、上に敵がいる。気を付けて」
ウォリーは仲間達に警告した。
ここ、『ドメニゴの森』は強力なモンスターが何匹も巣くう高危険度地帯。熟練の冒険者でさえ苦戦を強いられるこの森の中を、今まさにひと組のパーティが進んでいる。
Aランク冒険者パーティ『レビヤタン』。
青年ウォリーはそのメンバーの一人だった。『治癒師』という回復に長けたスキルを持ち、パーティのヒーラーとして活躍している。
彼の他にも、剣の達人であるリーダーのジャックや、凄腕の魔法使いハナ、魔法剣士ミリアなどトップクラスの冒険者達が揃っている。
森の上空を旋回していた怪鳥がレビヤタンに狙いを定め急降下を始めた。
その嘴には鋭利な牙がズラリと並び、両足の先端には鎧さえ引き裂く強度の鉤爪が備わっている。
しかしその爪がパーティメンバーに届くよりも前に、怪鳥は突如出現した落雷に打たれ黒焦げになって墜落した。
魔法使い、ハナの雷魔法だった。
「ハナ! ありがとう! みんな、怪我は無い?」
直後にウォリーが仲間達に声をかけた。
「あんたねぇ、さっきの見てなかったの? あの鳥が接近するよりも前に私が仕留めたじゃない! 誰も怪我なんてしてないわよ!」
ハナは苛ついた様子でウォリーを睨んだ。
「そ、そう? それなら良かった…」
「いちいち余計な心配しないでよ! 回復が必要になったらこっちから言うから、あんたは黙ってついて来てりゃいいの!」
ウォリーは冒険者としての実力が決して低いわけではない。ヒーラーとして回復魔法をはじめとした強力なサポート技を身につけており、『レビヤタン』の他のメンバーと肩を並べるのに申し分ない働きをしていた。
しかし彼の低姿勢で心配性な性格のせいで、自然とパーティ内で弱い立場に立たされてしまっていた。
「まぁ〜まぁ〜まぁ〜。そんな小ちゃい事でかっかしなくてもい〜じゃな〜い。」
赤毛でツインテールの女性、ミリアがそう言いながら2人の間に立つ。彼女は剣技と魔法の両方を使いこなす魔法剣士。ウォリーとは同じ故郷で育った幼馴染で、ユニークスキルと呼ばれる特殊な能力を所持している。
「ふん、まあいいわ。さっさと先に進みましょ!」
ハナは眉間に皺を寄せたまま歩き始めた。
この調子で襲い来るモンスター達を撃退しながら、探索を進める『レビヤタン』。森の深部が近づいて来たあたりで、全身傷だらけの冒険者が彼等の前に姿を現した。
「ハァ……あ……あなた達はAランクパーティの……ハァ……ハァ……レビヤタンでは?」
傷だらけの冒険者は相当体力を消耗しているらしく、息切れしている。
「そうだが、何かあったのか?」
「ハァ……ハァ……我々も……パーティでこの森の探索を行なっていたのですが、強力なモンスターに襲われて他の仲間はやられてしまいました……私は何とか逃げ延びたのですが……回復アイテムも底をつき……満身創痍の状態です……お願いします。ここから脱出する為に体力を回復したいんです……ポーションを恵んで頂けませんか?」
確かにこの冒険者の傷はかなり酷いようだ。こんな状況でこの危険な森から抜け出すのは不可能に近いだろう。
ジャックの足元で地に両手をついて懇願する冒険者だったが、ジャックはポーションを渡そうとはしなかった。
「悪いが俺たちもこの森を攻略中なんでな、ポーションを渡せば逆に俺たちが危険になるかもしれん。渡す訳にはいかないな。」
絶望的は表情になる冒険者。ジャックの言葉は「ここで死ね」と言っているようなものだった。
その時、ウォリーが冒険者の元に駆け寄って肩に手を置いた。
「ウルトラヒール」
ウォリーがそう唱えると冒険者傷がみるみる癒されていった。
「立てますか? 今回復魔法をあなたにかけました。この魔法は傷を癒すと共に、かけてからしばらくの間は自然回復力を強化する効果があります。本当は森の出口まで送ってあげたいですが僕たちも先へ進まなければなりませんので、これで頑張ってください。」
冒険者はウォリーの手を握りしめると涙を流しながら何度も御礼を言った。そして、『レビヤタン』一行に深々と礼をすると、その場を去っていった。
冒険者の背中が見えなくなったところで、突然、ジャックがウォリーを殴りつけた。
「このクソガキが! ポーションは渡さないと言っただろ! 俺の話を聞いてなかったのか!?」
「ご、ごめん……でもポーションは使ってない。回復魔法で……」
ウォリーは痛む頰を抑えながらジャックに謝罪した。
「同じ事だ! 回復魔法だって魔力を消費するだろ! お前の魔力は俺たちパーティの為に使うものだ!どこの誰かもわからん奴の為に魔力を使うんじゃない!」
「でも……あの人、あのままじゃ死んでたよ。見殺しになんて出来ないよ……」
「馬鹿野郎! あいつも冒険者だ。死の危険は覚悟の上でここに来てるんだろうが! あいつがモンスターに負けて死んだところで、それはあいつ自身の責任だ。俺たちには関係無い! もちろん助ける事も間違いじゃねえが、助けない事だって間違いじゃねえ!」
ウォリーは言い返す事が出来なかった。ジャックの言い分にも一理あると思ったからだ。ここは高危険度の森。魔力やアイテムは出来る限り温存して行かなければ、パーティ全員を危険な目にあわせてしまうかもしれない。リーダーのジャックに断りもなく魔力を使ってしまった事を彼は深く反省した。
だがかと言って、彼は冒険者をあのまま見捨てる事も耐え難かった。彼は昔から困っている人に出会うと何かしてあげたいという欲求に駆られてしまう人間だった。
「まままっ! いい〜じゃないのぉ〜回復魔法の1回や2回くらい。」
またもミリアが出て来て揉め事を抑えようとする。
「ウォリー君はじつに、じつぅ〜に優秀な人財よ! 彼の所持してる魔力はそこらの魔法使いを遥かに超える量。私は幼い頃から彼を知ってるけど、昔から魔力の量が桁違いだったのよぉ〜。周囲の大人達からは神童なんて呼ばれて期待されてたのを憶えてるわ。」
ウォリーをべた褒めするミリアを、ハナは不機嫌そうにして睨んでいた。
「まあいい、もう使っちまった魔力にあれこれ言ってもしょうがないからな。だが覚えておけウォリー。お前のその誰にでも手を差し出そうとする性格は冒険者にとっては不要なものだ! そんな甘ちゃんじゃ一生一流の冒険者にはなれねえぞ!」
そう言い放つと、ジャックは再び森の奥へ向けて歩みを進め出した。
森がだんだんと薄暗くなり、今まで以上にあちこちからのモンスターの気配が強くなってくる。パーティはどうやら森の深部まで入ったようだった。モンスターの強さが格段に上がるが、その分貴重なアイテムを入手する事が出来る。
「これ、何だろう。見たことない花〜」
ミリアが青く微かに発光している花を手にしている。
「青龍花だね。かなり珍しい花だよ。他のアイテムと調合すれば効力の高い薬になるけど、扱いの難しい花だからほぼ失敗するだろうね。」
ウォリーが答えるとミリアはヘぇ〜と言いながらハナの衣服のポケットに花をねじ込んだ。
「私いらないからハナちゃんにあげる〜。ハナちゃんだけに花をね〜。はっはっは」
自分で言って自分で笑うミリアだったが、当のハナは冷めた表情していた。
「おたくら……冒険者かの? ちょっと頼みがあるんじゃが……」
突然、1人の老人が姿を現した。こんな所に老人が1人で居る事を奇妙に感じ、パーティ全員は一瞬で警戒態勢に入った。
「こんな場所で何してる。何者だ?」
ジャックがきつい口調で問うが、老人は動じる様子がない。
「そう警戒せんでくれ。食糧が尽きてしまっての〜。なんか恵んでくれんか。もう腹が減って腹が減って…」
「悪いが俺たちは自分の分しか持ってきてないんでな。物乞いをするなら街でやってこい。」
あまり関わらない方がいいと判断したジャック達は早足でその場を去ろうとする。ただ1人、ウォリーはあの老人が気になって仕方なかった。確かに奇妙な老人ではあるが、こんな場所で飢えてると言われると彼の性格上放っておく事が出来なかった。
ただ勝手に助けるとまたジャックに何か言われるかもしれない。ウォリーは自分のパンを他のメンバーにバレないよう後ろ手に持ち、こっそりと老人の方へ投げてからジャック達の後に付いていった。
その後『レビヤタン』一行は特に奇妙なものに遭遇する事なく、大量のレアアイテムを入手して無事に街まで帰還した。
「そろそろ俺たちもSランク昇格に向けて動こうと思うんだが、どうだ?」
冒険者達が頻繁に利用する酒場で、ジャックは酒を片手にそう言った。
「いいね〜。私たちの実力ならもう十分でしょう!」
ミリアは上機嫌でジャックの意見に賛同する。
「昇格する為にはさらに上のレベルのクエストを達成する必要があるのよね。一体どれほどの難易度なのかしら……」
ミリアとは対照的にハナは不安そうな表情をしている。
「ああ、これからさらに気を引き締めていかなければな…それから、ウォリー。お前にひとつ言っておきたい事がある。」
「え……?」
ジャックは酒を一口飲んでから、ウォリーに冷たい視線を向けた。
「お前にはこのパーティを出ていってもらう。」