「あら、いいわねぇ~サツマイモ。
天ぷらにすると美味しいのよね。なら決まりね!」
ちょっと!?勝手に話を進めないでよ!
しかも、この人……グイグイ言ってくるし。
私をそっちのけで、3人で食事をすることに勝手に決められてしまった。えっ?何で!?
だが結局、納得がいかないまま課長の自宅まで歩くことになった……。
電車に乗るが私は、ムスッとしていた。
すると沙夜さんって人は、こちらを見てニコッと微笑んできた。
「改めて自己紹介するわね。私は、若松沙夜よ。
不知火君とは、大学時代の1つ下の後輩先輩なの」
「こちらこそ。宮下菜々子です」
「よろしくね。私とは、学部が別々だったけど元夫が同じで、その関係で知り合ったの。
でも、懐かしいわよね。
前会ったのは……今井君の結婚式の時ぐらいかしら?
あ、知っている?今井君の所に子供が産まれたのよ」
「あぁ知っています。年賀ハガキで来たので……」
「私の所にも来たわ。
もう凄い親バカになっているらしいわよ~確か名前が……」
そう言いながらも、いつの間にか私の知らない世間話になっていた。
ぽつんと取り残されてしまう。
課長がこんなに女性と話をしているのを初めて見たわ。
普段無愛想で無口だから……それに仲良さそう。
いくら先輩の奥さんだったからって、こんなにも仲がいいものなの?
しかも、わざわざ3人で食べることになるし。
なんだから、それがイライラしてしまう。
ムスッとしながらそれを見ていた。
「宮下。どうした……?またボーとして」
「あ、いえ……すみません」
課長の言葉で我に返る。
いけない……またボーと考え込んでしまったわ。
課長の事を考えるなんて馬鹿らしいわよね。
別に誰と仲良くしていようが私には、関係がないのに。
「ねぇ、宮下さんだっけ?
元部下と言っていたけど……仕事辞めてからも会う機会ってあるものなの?結婚式とかなにかで?」
「えっ……?」