「そんなの分からないじゃない。
 ろくに知ろうともしないで、そんなに私がやる事が気に入らないのですか!?
 もう私の事は、放っておいて下さい!」

 私は、叫ぶとそのままお店を飛び出してしまった。
お店から飛び出すと走る。
 しかし途中で立ち止まり泣き崩れた。

 自分でも大人気ないと分かっている。
でも、課長に言われた事がショックだった。
 私だって……上手すぎる話だとは思った。
でも、だからって……あんな言い方しなくてもいいじゃない。涙が止まらなかった。


泣きながらトボトボと歩いていると後ろから
「あれ?菜々子じゃない?」と聞き慣れた声が……。
振り返ると美希だった。

「今、残業の帰りなんだけど菜々子は、今日婚活じゃなかった……って、あんた。何で泣いてるのよ!?」

「……美希……」

 私は、美希の顔を見たら余計に涙が止まらない。
思わず抱きついてしまった。
 その後、美希の自宅に連れて行ってもらった。
美希は、結婚しており2歳の子供が居る母親だ。

「あの……すみません。こんな遅くにお邪魔したりして……」

「いえ、構いませんよ。いつでも来て下さいね」

 玄関そばで美希の旦那さんに謝るとニコッと笑い快く迎えてくれた。
 美希の旦那さんって顔は、普通だけど親切で優しい。