「だからね、礼央と今話せてるのがすごく嬉しいんだ!」 今まで一人だった。 「私の親も気味が悪いって、私を親戚のところに押し付けてどっか行っちゃったから」 「そうなんだ……。僕に聞かせてくれて、ありがとう。僕は絶対に味方だよ」 目の前の礼央は、とびっきりの笑顔を見せて、“安心してね”と言うように胸を張っている。 あの時から止まっていたこころの時計が、じわじわと溶けだした。