「そうだね。だけど、気持ちを知られるのが嫌な人はたくさんいるからね。みんな裏では何考えてるのか分からないから」
「なら、少なくとも僕は大丈夫だよ」
「うん?」
「僕は今まで、言葉を選ぶのが苦手であんまり人と話してこなかったけど、和香なら僕の気持ちをそのまま受け取ってくれるから」
「そっか。ありがとう。そういえば、たまに私の感情も瞳に出るみたいだから、授業中に観察してみるといいかもよー」
「ふっ、なにそれ」
「ほんとに面白いよ。目の前にいる人の感情も出るから、コロコロ変わるんだ」
和香は、嫌なことも全ていい方向に変えていけるみたいだ。
僕はそんなきみに、たった今恋をした。