ジェットコースターを目指して走っていると、男の人に思い切りぶつかってしまった。

『わあ、ご、ごめんなさい!』

『大丈夫だよ。君は大丈夫?』

『ボクはへーきだよ!』

顔を上げた時、その人は見たことがあった。

その頃の両親も知り合いだと思っていたから、いつも通りに会話した。

『おにいさんも来てたの?』

『ん、え!? れ、礼央か?』

『うん。どうしたの?』

『い、いやなんでもないよ。それじゃあな!』

『またねー!』

何も分かっていたかった僕は、すぐに2人に話してしまった。