私も追ってリビングに入ると、まるで家族団欒かのような四人が揃った構図ができあがる。

私がソファに座った所で、水谷が話し始めた。

水谷は自分が過去にしていた愚かな行為を包み隠さず息子たちに話して聞かせた。
恭平と聡介は、壮絶な水谷の告白を、呆気にとられたように聞き入っていた。
水谷はやはり、私の拒絶の原因をその事だけだと思っているようだった。
だが、敢えて私はそれを指摘するつもりはない。
今さら言った所でどうなるわけでもないから。

話が途切れると、恭平が言った。

「正直、そこまで親父がしてたのはショックだよ…。母さんと結婚前だって言っても…。俺ならそこまでするのかなって思った…。俺がこんだけショックなんだから…母さんがショック受けるのも無理ねぇな…」

すると今度は聡介が言う。

「…兄貴の言う通り、親父がやった事は俺にも信じらんねぇよ…。けど、今の話は母さんも初耳だったんだろ?母さんはもっと…、ずっと前から、普通じゃなかったろ…?ほんとは…、別の理由があるんじゃねぇのかよ…」

聡介の鋭さに正直驚きを隠せなかった。

でも真実を話してどうなるのだろう…。
果たして水谷は、本気で私とやり直そうとしているのだろうか…。

昨夜、眠らずに私はずっと考えていた。

なぜ今さら水谷はこんな事を言い出したのか、さらには今まで一度も見せてこなかった感情を表に出す事をしたのか。
明らかに水谷は、今までの彼とは違っている。
その事をどう捉えればいいのか…。