私は自分が出した結論が間違ってはいないのだと自分に言い聞かせた。

このまま生活を続けてみたところで誰も幸せにはなれない。

心を入れ替えて私とやり直そうとしている水谷と、今の汚れた私では釣り合わない。子供たちは悲しむかもしれないけど…

きっと彼らも大人になって色んな人間関係を築いていけばいつかわかる筈。

そう思い、私は自分の決心が鈍らないうちに次の行動をとった。

当面の生活に必要な荷物を手早くまとめる。
今夜はもう遅いから、明日この家を出よう…。

そして私は部屋を出てリビングに向かう。

明日ここを出ていく事を、今夜のうちに水谷に伝えておくために。
黙って出て行くのは、さすがに出来ないと思ったから…。

リビングにはまだ明かりがついていた。
私はドアを開け、リビングへと入った所で立ち止まってしまう。

そこには水谷だけでなく…

聡介もいた…。

「…聡介…。どしたの?眠れない、の?」

私の問いかけに振り向いた聡介の顔を見て、ハッと息をのんだ。

聡介は…

泣いていた…。