小西と秘密の関係を持つようになった私は、明らかに変わった。

まず水谷の事が気にならなくなった。
子供にやさしく接する事ができるようになった。
子供の反発もうまくかわせるようになった。

これは自分でも驚きだった。

だが自分でもわかる変化は、他人にもばれる…らしい。
いち早く気付いたのは、いつも私の近くにいる親友、沙由美だ。

その日も沙由美から飲みに行こうと誘われ、いつもの居酒屋での女子会をやっていた。

席に着くなり沙由美に問いただされる。

「最近、なんかあったでしょ」

「へっ？なんのこと？」

わざとらしくとぼける。

「どう考えても、智子、変わったよ。雰囲気が柔らかくなったし…。お肌がキレイになってる…」

さすが、女は見るところが違う。

「ただ…ね。堂々と言える事じゃないんだったら…ほどほどにね」

沙由美は急に声をひそめてそう言った。

やはり彼女は気づいているのかもしれない…。
私は嘘ばかりついてきた自分の人生で、沙由美にだけは軽蔑してほしくないと思い、彼女にすべてを打ち明けた。