「もう少々って、いつまで待たせんだよっ！もう３０分以上待たされてんだぞ！それをまたこれから待てってのか！？いい加減にしろよ！」

患者の怒りはもっともだから、私はひたすら謝り続けた。

少し強面のオジサンは、

「謝って済むか！」

と言ってさらに怒鳴りつけてくる…。

どうしたらいいかわからなくなって助けを求めて周囲を見渡すが、みんなも忙しそうにしていて誰も助けてくれるような雰囲気ではない。

いよいよ泣きそうになっていると、オジサンとは別の男の人の声が聞こえた。

「ちょっとすいません…。急いでるんなら、ここで押し問答するより彼女にやり直してもらった方がいいんじゃありませんか？話してる時間がもったいないと思いますよ」

驚いて声の主を見る。

そこには、なんとも爽やかな笑顔を湛えた長身の若い男の人が立っていた…。