それはそれで、虚しさが募っているのも事実だった。

こんな状態で水谷に自分から迫れるわけがないし、たとえ迫ったにしても彼がそれを受け入れる事はあり得ない。

水谷によって開花させられた身体は行き場を失い、持て余してしまう事もしばしばだった…。

そう考えると小西はまさにうってつけの相手かもしれない。
身体を満足させるためだけの関係…。

不倫には間違いないし、道徳的に許される事だとは思わないけれど…。

私は小西に尋ねた。

「先生…。絶対にバレないようにして下さいますか…?もちろん、先生だって、バレたらマズイんですよね?」

黙りこくっていた私が急にしゃべりだしたので、小西は一瞬呆気にとられたような表情をした。

だが、すぐに元の顔で返答をする。

「確かにバレるのはマズイよ…。適当に遊んでるって、言ったでしょう?
相手は商売女だったり、その道のプロだったりもしたけど、中には素人もいるんだよね。それなりに事情がある人だったりすると、身辺には細心の注意を払わなきゃいけないし。事実、今まで問題が起こった事はないよ」