戻ってきた水谷は、ぐったりとした私を気遣い少し眠ったらどうかと勧めた。

でも私は早く一人になりたかった。
これ以上水谷と一緒にいると、自分がどうにかなりそうだったから…。

だから今日は帰ると言って自宅まで送ってもらった。

車の中では一言も会話をせず気まずい雰囲気のままだったが、私にはもうそれをどうにかしようという気力は残っていなかった。

別れ際水谷は、また連絡しますと言って帰って行った。

自室に戻りベッドに横になる。
目を閉じて水谷との初めての行為を思い返す。

思い出す限り水谷は最初から最後まで本当に優しくて。
彼の気持ちが私にないなんて何かの間違いだと思ってもおかしくはないくらいだった…。

でも…
やっぱり水谷の気持ちは私にはない。

うまく説明する事はできないけど…

これは私の勘。
水谷がいくら私の事を好きだと装ったとしても、私には通じない。

それは私が水谷を愛しているからこそわかる、悲し過ぎる事実だった…。